就業規則・労務管理・労基署対応
1 適切な労務管理の重要性
会社には、就業規則の作成・変更、労働基準監督署への対応、労働時間管理、安全衛生管理、有休管理、給与計算、社会保険・雇用保険の手続き、従業員のライフイベントに応じた手続き等を通して適切な労務管理が求められています。
上記の中でも、特に就業規則の作成・変更や、労働基準監督署への対応については、弁護士または社会保険労務士に相談せず、会社内部のみで対応することは、難しいのではないでしょうか。
2 就業規則の意義、変更の必要性
まず、就業規則は会社で働く人のためのルールであるとともに、経営理念などの会社の思いを従業員に伝える役割や、いざ、問題のある従業員に対し適切な指導や懲戒処分の根拠として機能する重要なものです。
中小企業では、インターネットや書籍にある一般的なひな形をそのまま使って就業規則を作成してしまった結果,業界の慣行や、社内で行われている運用や実態を適切に反映していない場合や,そもそも就業規則自体を作成していない場合が,多く見られます。
就業規則の内容をよく理解しないまま、雇用関係の助成金を受給する目的で就業規則を作成している場合もあるようです。
それぞれの会社の実情に応じた就業規則を作成しなければ、労務トラブルを未然に防止し、もし、万が一、労務トラブルが発生した場合でも、会社を守ることができません。
また、かなり前に作成したままの状態になっている場合もありますが、就業規則は一度作成してしまえば終わりではありません。
労働法の改正や会社の事情の変更があれば、それに応じて就業規則を変更する必要があります。
なお、就業規則の変更が、労働条件の不利益変更を伴う場合には、変更手続きを慎重に行うことが求められます。
これを会社内部だけで対応することは大変難しいと思います。
当法人では、労働トラブルを日常的に扱う弁護士と、労務に関する手続き業務を行う社会保険労務士が連携して相談・助言を行っています。
3 労働基準監督署対応
労働基準監督署は、会社が労働基準法等の法令に違反していないかを調査するため、事業場に臨検監督(強制立入調査)をし、違反があれば、是正勧告書を交付して改善を促すという役割を担っています。
臨検監督(強制立入調査)は調査の目的により、事前に連絡がある場合と突然やってくる場合があります。
また、悪質、重大な法違反がある場合は、その会社の経営者等の刑事責任を追及するため、検察庁に送致する権限も有しています。
多くの会社は労働基準監督署の職務内容と権限、臨検監督(強制立入調査)の進み方、調査の対応方法等について、十分に認識していないのが現状です。
当法人では、臨検監督(強制立入調査)等の立会いや折衝,改善策のご提案等も行っています。