労働者派遣業
1 労働者派遣業界の特徴
労働者派遣業は、派遣元である派遣事業者が派遣労働者と労働契約を結びつつ、派遣先が派遣労働者を指揮命令することによって、派遣先から派遣料金を受け取るというビジネスモデルであり、派遣労働者の労務管理の責任を派遣元と派遣先が分担しあっているという特殊性、複雑性があります。
派遣労働者は在籍期間が短い傾向にあり、人の入れ替わりが多い傾向にあるのも派遣業界の特徴といえます。
2 法規制と行政指導
労働者派遣業は幾多の法改正を経て適用される業務の範囲が拡大してきましたが、一方で、派遣労働者を保護するための規制が加えられてきており、派遣元と派遣先双方に様々な義務が課されています。
労働者派遣業は許可制であり、毎年事業の状況を労働局に報告する必要がある上、定期的に許可を更新する必要があります。
労働者派遣業を継続的に運営していく上で、行政の規制や指導監督に対応した派遣労働者の管理を行うことが非常に重要です。
3 外国人労働者への対応
また、外国人を積極的に採用している事業者が多いのも労働者派遣業の特徴であり、在留資格の確認、労働条件等の説明、文化や言葉の違いに対するフォロー等を適切に行う必要があります。
4 労働問題への対応
労働者派遣業から相談の多い労働問題としては、解雇、雇止め、労働災害、問題社員対応等が挙げられます。
トラブルが発生し、派遣労働者側が労基署や労働局に相談した場合には、労働局の指導監督が行われる可能性が高く、慎重に対応する必要があります。
また、派遣労働者はユニオン(合同労組)に相談するケースも多く、そうした場合には弁護士への相談を検討すべきでしょう。