就業規則・労務管理・労基署対応
初めて労働者を雇用した際にするべきこと 失業手当の受給要件、手続き等 離職票の手続き 育児介護休業法の概要 健康診断に関する労働安全衛生法の定め 1年単位の変形労働時間制と期間途中の入退社 36協定の新様式と押印 就業規則見直しのポイント 助成金とは 最低賃金について 賃金の全額払いの原則と例外 裁量労働制と専門業務型裁量労働制の概要 事業場外労働みなし 就業規則変更による労働条件変更が有効となる場合 愛知県の労働に関する公的組織 岐阜県の労働に関する公的組織 三重県の労働に関する公的組織
初めて労働者を雇用した際にするべきこと
初めて労働者を雇用した際には、様々な手続きや作成すべきものがあります。
労働者の所定労働時間や勤務日数によっては不要な手続きもありますが、ここでは、いわゆる正社員を雇用した場合に、労働基準法上作成が義務付けられているもの及び労働保険・社会保険の手続きの主なものを紹介します。
1 労働条件通知書の作成・交付
労働者の就業の場所、従事すべき業務、労働時間、賃金等の労働条件を原則として書面で 交付することによって明示します。
2 労働保険の手続き
① 労働保険関係成立届
保険関係が成立した日(初めて労働者を雇った日の翌日から起算して10日以内に労働基準監督署(農林水産業、建設等の事業は公共職業安定所)へ提出します。
② 労働保険概算保険料申告書(納付書)
保険関係が成立した日(初めて労働者を雇った日の翌日から起算して50日以内に労働基準監督署、労働局または金融機関(農林水産業、建設等の事業の場合、雇用保険は労働局または金融機関、労災保険は労働基準監督署、労働局または金融機関)へ提出します。
③ 雇用保険適用事業所設置届
適用事業に該当した日(初めて労働者を雇った日)の翌日から起算して10日以内に公共職業安定所へ提出します。
④ 雇用保険被保険者資格取得届
労働者を雇用した日の属する月の翌月10日までに公共職業安定所へ提出します。
3 社会保険の手続き
① 健康保険・厚生年金保険新規適用届
初めて労働者を雇用した日から起算して5日以内に日本年金機構(年金事務所)へ提出します。
② 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
労働者を雇用した日から起算して5日以内に日本年金機構(年金事務所)へ提出しま
す。
③ 健康保険被扶養者異動届
労働者に被扶養者がいる場合は、労働者を雇用した日から起算して5日以内に日本年金機構(年金事務所)へ提出します。
4 36協定(時間外・休日労働に関する協定届)
時間外労働・休日労働をさせる予定がある場合は、あらかじめ労働基準監督署へ提出
5 労働者名簿の作成
氏名、生年月日、住所、雇い入れ年月日等を記載した労働者名簿を作成します。
6 賃金台帳の作成
賃金台帳を作成し、氏名、賃金計算期間、労働日数、労働時間数、基本給、手当等の事項を賃金支払いの都度遅滞なく記入します。
失業手当の受給要件、手続き等
失業手当は正式名称を「基本手当」といい、雇用保険の一般被保険者が失業した場合に支給される手当です。
基本手当の受給資格、手続き、給付額および給付日数の概要は以下のとおりとなっています。
1 基本手当の受給資格
⑴ 原則の受給資格は以下のとおりです。
① 離職による被保険者資格の喪失の確認を受けたこと
② 失業の状態ですぐに働けること
③ 離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること
⑵ ただし、特定受給資格者(倒産、解雇等の理由により再就職の準備をする時間的余裕な
く離職を余儀なくされた者)または特定理由離職者(特定受給資格者以外の者であって、期間の定めのある労働契約が更新されなかったことその他やむを得ない理由により離職した者)については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上であったときも受給資格要件を満たすことができます。
被保険者期間とは、雇用保険の被保険者であった期間のうち、離職日から1か月ごとに区切った期間に賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1か月として計算します。
なお、令和2年8月1日以降に離職した者について、賃金支払基礎日数が11日以上の月が12か月ない場合は、賃金支払いの基礎となった時間数が80時間以上の月を1か月として計算します。
2 基本手当の受給手続き
基本手当を受給するためには、離職者の住所を管轄するハローワークへ離職者自身が離職票等の必要書類を持参のうえ、求職の申し込みを行います。
3 基本手当の給付額
⑴ 基本手当の1日当たりの金額(基本手当日額)は以下の計算式で算出されます。
給付率は賃金が低いほど高くなります。
離職日以前6か月の賃金合計÷180×給付率(50~80%※)
※ 60~64歳は45~80%
⑵ 基本手当日額には、上限額・下限額が定められています。
4 基本手当の給付日数
① 特定受給資格者・一部の特定理由離職者
② 特定受給資格者及び特定理由離職者以外の離職者
③ 障がい者等の就職困難者
離職票の手続き
1 離職票とは
労働者が離職した際に、労働者が基本手当(いわゆる、失業手当)等の求職者給付を受給する際に必要となるのが離職票です。
会社は、労働者が離職票の交付を希望した場合は、ハローワークから離職票の交付を受け、労働者へ渡さなければなりません。
2 離職票の交付手続き
会社がハローワークから離職票の交付を受けるためには、労働者が離職した日の翌日から起算して10日以内に「雇用保険被保険者資格喪失届」および「雇用保険被保険者離職証明書」を会社の所在地を管轄するハローワークへ提出する必要があります。
「雇用保険被保険者離職証明書」の記入例は厚生労働省のホームページで適宜ご参照ください。
3 離職票の交付
提出した書類が受理されると、離職票が交付されます。
離職票の交付時には、離職票の他、「雇用保険被保険者離職証明書(事業主控)」、「雇用保険被保険者資格喪失確認通知書(事業主通知用)」が交付されます。
離職票以外は会社で保管し、離職票は離職した労働者へ渡します。
4 離職票の内容
離職票には、「雇用保険被保険者離職票-1」と「雇用保険被保険者離職票-2」があります。
「雇用保険被保険者離職票-1」の用紙は「雇用保険被保険者資格喪失確認通知書(被保険者通知用)」と兼用になっています。
「雇用保険被保険者離職票-2」は「雇用保険被保険者離職証明書(事業主控)」とほぼ同じ内容ですが、異なるのは、「雇用保険被保険者離職票-2」には、離職者記入欄があることです。
離職者記入欄には、会社が「雇用保険被保険者離職証明書」を作成する際に事業主記入欄で離職理由を選択した際と同じように労働者が離職理由を選択します。
また、会社が離職理由を「労働者の個人的な事情による離職(一身上の都合、転職希望等)」を選択した場合に、離職した労働者が以下の6種類からさらに細かな理由を選択できるようになっています。
① 職務に耐えられない体調不良、けが等があったため
② 妊娠、出産、育児等のため
③ 家庭の事情と急変(父母の扶養、親族の介護等)があったため
④ 配偶者等との別居生活が継続困難となったため
⑤ 転居等により通勤困難となったため
⑥ その他
育児介護休業法の概要
「育児介護休業法」は、正式名称を「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」といい、子育てや介護と仕事が両立しやすい就業環境の整備等を進めるための法律です。
まず、1992年4月に「育児休業法」が施行、1995年に「育児介護休業法」に改正、その後も複数回の改正を繰り返し、現在に至ります。
改正の多い法律なので、その都度対応が必要です。
以下に、「育児介護休業法」の概要をご説明します。
1 育児休業(法第5条~第9条の2)
労働者が原則としてその1歳に満たない子を養育するためにする休業。
「子」の範囲は、労働者と法律上の親子関係がある子(養子を含む)のほか、特別養子 縁組のための試験的な養育機関にある子や養子縁組里親に委託されている子等を含む。
2 介護休業(法第11条~第15条)
労働者が要介護状態(負傷、傷病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)にある対象家族を介護するためにする休業。
3 子の看護休暇(法第16条の2~第16条の3)
小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、1年に5日(子が2人以上の場合は10日)まで、病気、けがをした子の看護又は子に予防接種、健康診断を受けさせるために、休暇の取得が可能。
4 介護休暇(法第16条の5~第16条の6)
要介護状態にある対象家族の介護その他の世話を行う労働者は、1年に5日(対象家族が2人以上の場合は10日)まで、介護その他の世話を行うために、休暇の取得が可能。
5 育児・介護のための所定外労働・時間外労働の制限(法第16条の8~第16条の9)
3歳に満たない子を養育する労働者が子を養育するため、又は要介護状態にある対象家族を介護する労働者がその家族を介護するために請求した場合には、事業主は所定労働時間を超えて労働させてはならない。
6 育児・介護のための時間外労働の制限(法第17条~18条)
小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者がその子を養育するため、又は要介護状態にある対象家族を介護する労働者がその家族を介護するために請求した場合には、事業主は制限時間(1か月24時間、1年150時間)を超えて時間外労働をさせてはならない。
7 育児・介護のための深夜業の制限(法第19条~第20条)
小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者がその子を養育するため、又は要介護状態にある対象家族を介護する労働者がその家族を介護するために請求した場合、事業主は午後10時から午前5時(深夜)において労働させてはならない。
8 育児のための所定労働時間短縮の措置(法第23条)
3歳に満たない子を養育する労働者に関して、1日の所定労働時間を原則として6時間とする短時間勤務制度を設けなければならない。
9 介護のための所定労働時間短縮の措置(法第23条)
要介護状態にある対象家族を介護する労働者に関して、所定労働時間短縮等の措置を講じなければならない。
10 事業主が講ずべき措置(法第21条、第24条、第26条)
⑴ 育児
小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、育児休業に関する制度、所定外労働の制限に関する制度、所定労働時間の短縮措置又はフレックスタイム制等の措置に応じて、必要な措置を講ずる努力義務。
小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、配偶者出産休暇等の育児に関する目的で利用できる休暇制度を講ずる努力義務。
⑵ 介護
家族を介護する労働者に関して、介護休業制度又は所定労働時間の短縮等の措置に準じて、その介護を必要とする期間、回数等に配慮した必要な措置を講ずる努力義務。
健康診断に関する労働安全衛生法の定め
1 健康診断の実施義務と対象労働者
事業者は、労働安全衛生法および労働安全衛生規則の定めにより、労働者に対して医師による健康診断を実施する義務があり、労働者にも健康診断の受診義務が課されています。
一般健康診断の対象となる労働者は「常時使用する労働者」と規定されていますが、「常時使用する労働者」には、期間の定めのない労働契約により使用される者のほか、期間の定めのある労働契約により使用される労働者であっても、1年(一定の有害業務に従事する場合には6か月)以上使用される予定の労働者も該当します。
また、パートタイム労働者については、週所定労働時間が当該事業場の同種の業務に従事する通常の労働者の週所定労働時間の4分の3以上である者は、「常時使用する労働者」に該当します。
2 健康診断の内容
健康診断には以下の7種類があり、①~⑤は一般健康診断に該当し、⑥~⑦は特殊健康診断に該当します。
① 雇入時健康診断
② 定期健康診断
③ 特定業務従事者の健康診断
④ 海外派遣労働者に対する健康診断
⑤ 給食従業員の検便
⑥ 有害業務従事者の特別の項目の健康診断
⑦ 有害業務従事者の歯科医師による健康診断
3 健康診断の費用の関する通達
通達では、「(労働安全衛生法第66条)第1項から第4項までの規定により実施される健康診断(上記2①~⑦の健康診断)の費用については、法で事業者に健康診断の実施の義務を課している以上、当然、事業者が負担すべきものである」としています(昭和47.9.18 基発602号)。
4 健康診断の受診時間の労働時間性に関する通達
通達では、「健康診断の受診に要した時間についての賃金の支払いについては、労働者一般に対して行なわれる、いわゆる一般健康診断は、一般的な健康の確保をはかることを目的として事業者にその実施義務を課したものであり、業務遂行との関連において行なわれるものではないので、その受診のために要した時間については、当然には事業者の負担すべきものではなく労使協議して定めるべきものであるが、労働者の健康の確保は、事業の円滑な運営の不可決な条件であることを考えると、その受診に要した時間の賃金を事業者が支払うことが望ましいこと。特定の有害な業務に従事する労働者について行なわれる健康診断、いわゆる特殊健康診断は、事業の遂行にからんで当然実施されなければならない性格のものであり、それは所定労働時間内に行なわれるのを原則とすること。また、特殊健康診断の実施に要する時間は労働時間と解されるので、当該健康診断が時間外に行なわれた場合には、当然割増賃金を支払わなければならないものであること。」としています(昭和47.9.18 基発602号)。
5 健康診断実施後の対応
⑴ 健康診断の結果の通知
事業者は、健康診断を受けた労働者に対し、遅滞なく、その結果を通知しなければなりません。
⑵ 健康診断の結果についての医師又は歯科医師からの意見聴取
事業者は、健康診断の結果(異常の所見があると診断された労働者に限る)に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、健康診断が行われた日から3か月以内に医師又は歯科医師の意見を聴かなければなりません。
⑶ 健康診断実施後の措置
事業者は、上記⑵の医師又は歯科医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、作業環境測定の実施、施設又は設備の措置又は整備、当該医師又は歯科医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措置を講じなければなりません。
1年単位の変形労働時間制と期間途中の入退社
1 1年単位の変形労働時間制の概要
労基法が定める原則の法定労働時間は1日8時間、週40時間ですが、いくつかの例外が認められており、その一つに1年単位の変形労働時間制があります。
1年単位の変形労働時間制は、観光関係や人事労務、税務等、年間で繁忙期と閑散期がある業務に適しており、例えば繁忙期の所定労働時間は1日9時間、閑散期は1日7時間というように労使協定で定めます。
そして、1年以内の対象期間をトータルして、所定労働時間が「週40時間×対象期間中の週数」の総枠におさまるように所定労働時間と所定労働日を事前に特定します。
原則として1日の所定労働時間は10時間、週の所定労働時間は52時間が限度となる等の制限があります。
1年単位の変形労働時間制によって割増賃金が発生するのは、①1日8時間を超え、かつ1日の所定労働時間を超えた部分、②週40時間を超え、かつ週の所定労働時間を超えた部分(①と重複する部分を除く)、③「週40時間×対象期間中の週数」の総枠を超えた部分(①、②と重複する部分を除く)となります。
2 途中退職者、途中入社者の取り扱い
かつて、対象期間の途中で退職する従業員や、対象期間の途中で入社した従業員には、1年単位の変形労働時間制を適用することは認められていませんでしたが、平成10年の改正により、割増賃金の清算を行うことを条件に適用が認められるようになりました。
具体的には、「週40時間×途中で退職または入社した従業員が1年単位の変形労働時間制のもとで労働した期間の週数」の総枠を超えた部分について、割増賃金を支払うことが必要となります。
この割増賃金の清算は、途中退職者については退職時に、途中入社者については対象期間の終了時に行うこととなります。
36協定の新様式と押印
1 36協定の新様式
令和3年4月1日から、時間外・休日労働に関する労使協定(いわゆる36協定)の様式が新しくなりました。
行政文書の押印を廃止する流れを受けて、36協定の押印が不要になったという受け止め方もされているようです。
2 「押印不要」の意味
しかしながら、新様式であっても、必ずしも押印が不要となったわけではなく、むしろこれまでどおり押印が必要な場合が多いといえそうです。
厚生労働省の作成しているパンフレットに「36協定で締結した内容を協定届(本様式)に転記して届け出てください。」と記載されているとおり、新様式は労基署に届出をするための協定届であり、これとは別に労使間で協定書を取り交すのが法律上の原則です。
そして、今回、押印が不要になったのは協定届であり、協定書の押印が不要となったわけではありません。
実務上は、パンフレットに「36協定届(本様式)を用いて36協定を締結することもできます。」と記載されているとおり、協定届を協定書と兼ねたものとして取り交しをしている場合が大半であり、その場合には、新様式であっても、協定書としての押印が必要ということになります。
3 過半数代表者の選出には注意を
新様式では、①協定の当事者が労働組合である場合は事業場の全ての労働者の過半数で組織する労働組合であり、協定の当事者が労働者の過半数代表者である場合は事業場の全ての労働者の過半数を代表する者であること、②過半数代表者が監督管理者でなく、投票、挙手等の方法による手続により選出された者であって使用者の意向に基づき選出されたものでないことの2点を確認するチェックボックスが設けられました。
過半数代表者が正当に選出されたか否かは協定の有効性にかかわる重要な部分であり、チェックボックスが確認している内容に沿った手続きを行う必要があります。
就業規則見直しのポイント
就業規則は一回作成すればよいのではなく、定期的な見直しが必要です。
就業規則の見直しをする際には以下の点をまず確認することをお勧めしています。
⑴ 事業所の実態に適合的か?
適合的でない場合には、実態に適合させるべき場合が多いと思います。
適合していない場合には、就業規則作成時からなのか、作成時は実態に適合的だったが年月を経て齟齬が生じたのかの確認をすることも重要です。
⑵ 有期の従業員、パートの従業員に適用される規程は整備されているか?
各従業員ごとに明確に労働条件を定めておくべき場合には、規定を整備しておくべきです。
⑶ 特別休暇の日数は適正か、取得時期の定めは合理的か?
特別休暇を定めている会社は多いですが、特別休暇が発生する事由との関係で日数が適正かについては確認をするべきです。
また、特別休暇を取得できる時期や条件についても確認しておくべきこともあります。
⑷ 休職の定めは合理的か?
解雇を猶予する制度として多くの会社に休職の規定が定められていますが、通算の日数の定めや、同一理由に基づく利用の可否・条件等を具体的に整備するべき場合もあります。
⑸ 懲戒の定めは明確か?均衡はとれているか?
いざ、懲戒処分を行いたい場合に、懲戒処分の種類やそれぞれの均衡が保たれているか、あいまいな概念が使われていないかなどが問題となることがあります。
⑹ 最新の法改正は反映されているか?
労働に関する法令は、頻繁に改正され、就業規則にも適時に反映させるべきです。
助成金とは
厚生労働省では、「雇用関係助成金」として、数多くの助成金を用意しており、非正規社員の待遇を改善した場合、従業員の職業能力の向上のために職業訓練を行った場合、就職が困難な人を採用した場合、職場環境を改善した場合等に支給されます。
助成金の支給は雇用保険制度の雇用安定事業及び能力開発事業(雇用保険二事業)の一環として行われています。
雇用保険料の事業主負担分は、労働者負担分と同額で失業等給付・育児休業給付等にあてられる部分と、雇用保険二事業にあてられる部分からなっており、雇用保険二事業にあてられる部分が助成金の財源となっています。
事業主としてはせっかく納めたお金ですから、納めるだけにせずに、遠慮なく助成金の受給を検討すべきだと言えるでしょう。
助成金を受給できる会社の共通の要件として、労働者名簿、賃金台帳、出勤簿等を整備しており、労働保険料の滞納がないこと、過去1年間に労働関係法令の違反がないことが必要です。
その他に、助成金のコースごとに、どのような取組をした場合に助成金が支給されるかが細かく定められています。
従業員の採用、従業員の待遇改善、教育訓練の実施、労働時間や職場環境の改善に向けた取り組みを行っている企業、またはこれから行おうとしている企業には、助成金を受給できる可能性が大いにあります。
助成金の種類は毎年変更が加えられるので、慣れていないとどのような助成金が受給可能かを判断するのは困難ですし、申請書等に添付する書類も多岐にわたります。
受給申請の代行は社会保険労務士または社会保険労務士法人のみが行うことができます。
コンサルタント会社等が受給申請の代行を売りにして営業をしていることがありますが、違法ですので依頼しないように注意してください。
また、実態と異なる書類を作成して不正受給することがないように気をつけてください。
最低賃金について
最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度です。
最低賃金には、都道府県ごとに定められた「地域別最低賃金」と、特定の産業に従事する労働者を対象に定められた「特定(産業別)最低賃金」の2種類があります。
「特定(産業別)最低賃金」は「地域別最低賃金」よりも高い金額水準で定められています。
地域別と特定(産業別)の両方の最低賃金が同時に適用される労働者には、使用者は高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。
「地域別最低賃金」とは、産業や職種にかかわりなく、各都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対して適用される最低賃金です。
都道府県ごとに最低賃金が定められています。
「特定(産業別)最低賃金」は、特定の産業について設定されている最低賃金です。
関係労使が基幹的労働者を対象として、「地域別最低賃金」よりも金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認める産業について設定されています。
地域別最低賃金は、セーフティネットとしてパートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託など形態や呼称に関係なく、各都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に適用されますので、原則として最低賃金額以上の賃金を支払う必要があります。
なお、一般の労働者より著しく労働能力が低いなどの場合に、最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭めるおそれなどがあるため、次の労働者については、使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件に個別に最低賃金の減額の特例が認められています。
精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い方
試の使用期間中の方
基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受けている方のうち厚生労働省令で定める方
軽易な業務に従事する方
断続的労働に従事する方
最低賃金の減額の特例許可を受けたい場合、使用者は最低賃金の減額の特例許可申請書(所定様式)2通を作成し、所轄の労働基準監督署長を経由して都道府県労働局長に提出する必要があります。
最低賃金に関しての詳細は、弁護士法人心へご相談ください。
賃金の全額払いの原則と例外
1 賃金支払いに関する4原則
労働基準法24条1項、2項は賃金支払いに関する4原則、すなわち、①通貨払いの原則、直接払いの原則、全額払いの原則、定期払いの原則を定めています。
全額払いの原則は、使用者が一方的に賃金の控除をすることを禁止することで労働者の経済生活の保護を図るという考え方に基づくものですが、その例外について、実務上多くの議論及び裁判例があります。
なお、賃金の減額については、労働条件の不利益変更の問題として議論されています。
2 使用者から行う相殺
例えば、使用者が労働者に対し損害賠償請求を有しており、賃金との相殺を行うことができるかという問題です。
最高裁昭和44年12月18日判決(福島県教組事件)は、ある賃金計算期間内に賃金の過払いが生じた場合の過払い分をその後の賃金から控除して支払ったという事案で、合理的に接着した時期であることや労働者に予告されていたこと、多額ではないことをふまえ、労働者の経済生活の安定を脅かす恐れがないとして、全額払いの原則に反しないと判断しています。
3 合意による相殺
最高裁平成2年11月26日判決(日新製鋼事件)は、住宅ローンを退職金で一括返済の約定、返済手続を労働者が自発的に会社に委任、労働者が異議なく書類に署名等、会社が返済費用前払請求権と退職金債権等を相殺した事案で、労働者の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在する場合には全額払いの原則に違反しないと判示しました。
4 賃金債権の放棄
労働者の自由な意思に基づくと認められる合理的な理由が客観的に存在する場合は有効と考えられています。
最高裁昭和48年1月19日判決(シンガーソーイングメシーン事件)は、労働者が西日本の総責任者、退職後は競業他社に就職が決定し、経費に関する疑惑があり損害を補填する趣旨で放棄の書面に署名したという事実認定のもとで、自由な意思に基づくと言えると判示しました。
さらに、自社株融資制度の貸付は退職金等との相殺は当初から予定されているとして、自由な意思に基づくと判断された裁判例(東京地判平成13年2月27日判決)、妻から給与債権の差押えを申立てられていた労働者が、会社から福利厚生の一環である低利長期の借入れをしており、差押えられると分割弁済の利益を失う等の事情あり、賃金等からの控除への同意書を改めて提出した事実関係のもとで、自由な意思に基づくと判断された事例があります(東京地裁平成20年3月24日判決)。
裁量労働制と専門業務型裁量労働制の概要
1 裁量労働制の意義
裁量性の高い業務に従事する労働者について、実際に働いた時間数(労働の量)とは関係なく、労使協定または労使委員会決議に定める協定時間数を労働したものとみなす制度です。
できるだけ実労働時間にみなすべきという事業場外労働みなしとは異なり、実労働時間数とは切断された労働時間ということになります。
協定みなし時間が法定労働時間を超えていれば、その超過時間分だけ時間外労働したものとみなされ、割増賃金の支払いが必要ですし、休日・深夜労働については、実労働時間に応じた割増賃金の支払を要します。
2 専門業務型裁量労働制の要件等
⑴ 労使協定で対象業務、みなし労働時間、その他労基法38条の3第1項各号所定の事項
を定めて所轄の労働基準監督署に届け出ることが求められます。
なお、企画業務型裁量労働制とは異なり、届出は、条文上は適用要件ではありません。
対象業務は、新商品の開発や情報処理システムの分析・設計など19業務に限られ(弁護士、公認会計士、建築士、不動産鑑定士、弁理士、税理士、中小企業診断士も含まれる。)、性質上業務遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要があるため、業務遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的指示をすることが困難として定められたものです。
⑵ 就業規則に専門業務型裁量労働制の定めをおくことも求められます。
3 労使協定の手続き
⑴ 協定の主体は、労働者代表(労働者の過半数で組織する労働組合、そのような労働組合
がない場合は労働者の過半数により選出された代表者(過半数代表者))であり、選出の方法は、「法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法」によらなければなりません(労規則6条の2)。
特に専門業務型裁量労働制の労使協定は、その締結に当たり、対象労働者の意見を聴く機会が確保されることが望ましいとされています(平成12・1・1基発1号)。
ほかに労使協定が必要な主なものとして、36協定、時間単位の年休協定(労基39条4項)、計画年休協定(労基39条6項)などがあります。
⑵ 労使協定で定めるべき事項は、①対象業務、②対象業務ごとのみなし労働時間、③当該
業務の遂行手段・時間配分の決定等に関し、具体的な指示をしないこと(業務の基本的な内容指示したり、途中経過の報告を求めること、出退勤を確認するなどのためにタイムカードへの打刻や出勤簿への記録を求めることは可能と考えられます。個別的に特定の日・時間に会議等に出席することを指示することも全体として裁量労働が維持されていれば可能であり、始業・終業時刻の定めも可能と考えられます。)、④使用者が対象労働者の健康福祉確保措置を講ずること、⑤使用者が対象労働者からの苦情処理措置を講ずること、⑥協定の有効期間等の厚労省令で定める事項です。
4 みなし労働時間と実労働時間の関係・乖離
⑴ S63.3.14基発150号は、「労使協定において、専門業務型裁量労働制に該当する業務を
定め、当該業務の遂行に必要とされる時間を定めた場合には、当該業務に従事した労働者は、当該協定で定める時間労働したものとみなされるものであること。・・・」としています。
⑵ 協定みなし時間は対象業務の労働時間として不相当という主張の位置づけについては、
通常想定しうる実労働時間を大幅に下回るみなし時間を定めるなどの事情が認められる場合、就業規則の合理性を否定する事情として再抗弁に位置づけられ得るものと解する見解があります。
⑶ 安衛法第66条の8の3により、労働時間の状況の把握が求められます。
事業場外労働みなし
1 意義
⑴ ①労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、
労働時間を算定し難いとき(労働時間算定困難性)、所定労働時間労働したものとみなし(所定労働時間みなし)、ただし、②当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合は、当該業務の遂行に必要とされる時間労働したものとみなし(通常必要時間みなし)、さらに、③上記②の場合において労使協定が締結されたときは、その協定で定める時間を上記②の「当該業務の遂行に必要とされる時間」とする(協定時間みなし)制度です(労働基準法38条の2)。
⑵ 「通常必要とされる労働時間」とは、想定される平均的な労働時間と解されていること
から、実労働時間算定に準じたものといえます。
実労働時間の算定困難性を認めて事業場外みなし制を適用した東京地判平成22年7月2日判決等も、事業場外労働の実態等を具体的に検討した上で通常必要時間を算定しています。
2 最高裁平成26年1月24日判決(阪急トラベル・サポート事件)の考え方
使用者が労働者の勤務状況を具体的に把握することが困難か否かという観点から判断(勤務状況把握説)をしました。
従来は、使用者の具体的な指揮監督が及んでいるかというアプローチ(指揮監督説)が一般的でした。
本件のような事前指示型の事業場外労働の場合、①事前に具体的な勤務内容が定められ、②業務上の裁量の幅が限られ、③使用者がその内容に沿って業務遂行を指示しているだけでなく、④添乗日報のような事後の報告(自己申告)の正確性が確認できれば、労働時間算定困難性は否定されることになり、結論として、事業場外労働みなしの適用を否定しました。
就業規則変更による労働条件変更が有効となる場合
1 判例法理の明文化
就業規則に関する労働契約法の定めは、就業規則の法的性質及び就業規則の不利益変更が有効となる場合について判示した、一連の最高裁判例を明文化したものと一般的に考えられています。
2 労働契約法の具体的な規定内容
まず、労働契約法9条は、「使用者は労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない」として、就業規則による労働条件の不利益変更は、労働者との合意がなければできないことを内容とする、労働契約の合意原則を規定しています。
そのうえで、労働契約法9条は、「この限りではない。」として労働契約法10条の「就業規則の変更が・・・合理的なものであるときは」、「労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。」を上記合意原則の例外として挙げています。
労働契約法10条は、合理性の判断要素として、「労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき」として、判例法理を明文化しています。
3 就業規則の変更による労働条件の不利益変更が有効となる場合
上記のとおり、就業規則の変更により労働条件を不利益に変更する場合、当該変更について労働者の個別の同意を得た場合、労働契約法9条の反対解釈及び同法8条を根拠に、専ら当該合意をもって労働条件変更の合理性を問題にすることなく就業規則による労働条件変更が適法に認められると考えられます。
最高裁平成28年2月19日判決(山梨県民信用組合事件)は、「労働契約の内容である労働条件は、労働者と使用者との個別の合意によって変更することができるものであり、このことは、就業規則に定められている労働条件を不利益に変更する場合であっても、その合意に際して就業規則の変更が必要とされることを除き、異なるものではないと解される(労働契約法8条、9条本文参照)。」と判示しています。
しかし同判例は、「本件同意書への同人らの署名押印がその自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するか否かという観点から審理を尽く」していないとして、対象労働者による請求を棄却した原審東京高裁の判断について、破棄差戻しの判断をしていることからも同意の認定は慎重に判断することが求められます。
また、労働者による同意がない、あるいは同意が「その自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在」しないと考えられる場合には、変更された就業規則の周知及び合理性という労働契約法10条の要件が満たされる場合には労働条件の変更が認められることになります。
なお、同意が「その自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在」するか否かは、各労働者ごとに判断することになるので、就業規則の変更による労働条件の変更の有効性が、区々になり得ることは否定できないことになります。
愛知県の労働に関する公的組織
愛知県内の労働に関する公的組織である、愛知県労働委員会、愛知労働局及び労働基準監督署について概要を説明します。
1 愛知県労働委員会 愛知県庁内(名古屋市中区三の丸3-1-2)
愛知県労働委員会は、労働組合法、労働関係調整法に基づき、労使間の紛争を簡易迅速に解決するあっせん、調停及び仲裁を行うほか、不当労働行為の審査等を行っています。
公益委員(公益を代表する者)、労働者委員(労働者を代表する者)、使用者委員(使用者を代表する者)の三者で構成され、各7名、計21名の委員を知事が任命します。
県庁職員が手続きのフォローをすることが実務上の取扱として一般的です。
2 愛知労働局
愛知労働局は、厚生労働省の地方支分部局で、労働基準行政の運営を図るとともに、管内に置かれている各労働基準監督署を指揮・監督する役割を果たしています。
配置されている部門により、以下の3つの庁舎に分かれています。
⑴ 本庁舎(名古屋市中区三の丸2-5-1)
総務部(総務課)、雇用環境・均等部(企画課、指導課、総合労働相談コーナー)、労働基準部(監督課、安全課、健康課、賃金課)
⑵ 広小路庁舎(名古屋市中区栄2-3-1)
総務部(労働保険徴収課、労働保険適用・事務組合課)
⑶ 伏見庁舎(名古屋市中区錦2-14-25)
職業安定部、需給調整事業部
3 労働基準監督署(愛知県内)
労働基準監督署の内部組織は、労働基準法などの関係法令に関する各種届出の受付や、相談対応、監督指導を行う「方面」(監督課)、機械や設備の設置に係る届出の審査や、職場の安全や健康の確保に関する技術的な指導を行う「安全衛生課」、仕事に関する負傷などに対する労災保険給付などを行う「労災課」、会計処理などを行う「業務課」から構成され、以下の管轄を担当するものとして配置されています。
⑴ 名古屋北労働基準監督署(名古屋市東区白壁1-15-1)
管轄区域 東区、北区、中区、守山区、春日井市、小牧市
⑵ 名古屋西労働基準監督署(名古屋市中村区二ッ橋町3-37)
管轄区域 西区、中村区、清須市、北名古屋市、西春日井郡
⑶ 名古屋南労働基準監督署(名古屋市港区港明1-10-4)
管轄区域 中川区、港区、南区
⑷ 名古屋東労働基準監督署(名古屋市天白区中平5-2101)
管轄区域 千種区、昭和区、瑞穂区、熱田区、緑区、名東区、天白区、豊明市、日進市、愛知郡東郷町
⑸ 豊橋労働基準監督署(豊橋市大国町111 豊橋地方合同庁舎6階)
管轄区域 豊橋市、豊川市、蒲郡市、新城市、田原市、北設楽郡
⑹ 岡崎労働基準監督署(岡崎市羽根町字北乾地50-1 岡崎合同庁舎5階)
管轄区域 岡崎市、額田郡
⑺ 岡崎労働基準監督署西尾支署(西尾市徳次町下十五夜13)
管轄区域 西尾市
⑻ 豊田労働基準監督署(豊田市常盤町3-25-2)
管轄区域 豊田市、みよし市
⑼ 一宮労働基準監督署(一宮市八幡4-8-7 一宮労働総合庁舎2階)
管轄区域 一宮市、稲沢市
⑽ 半田労働基準監督署(半田市宮路町200-4 半田地方合同庁舎2階)
管轄区域 半田市、常滑市、東海市、大府市、知多市、知多郡
⑾ 津島労働基準監督署(津島市寺前町3-87-4)
管轄区域 津島市、愛西市、弥富市、あま市、海部郡
⑿ 瀬戸労働基準監督署(瀬戸市熊野町100)
管轄区域 瀬戸市、尾張旭市、長久手市
⒀ 刈谷労働基準監督署(刈谷市若松町1-46-1 刈谷合同庁舎3階)
管轄区域 刈谷市、碧南市、安城市、知立市、高浜市
⒁ 江南労働基準監督署(江南市尾崎町河原101)
管轄区域 江南市、犬山市、岩倉市、丹羽郡
岐阜県の労働に関する公的組織
岐阜県内の労働に関する組織である、岐阜県労働委員会、岐阜労働局及び労働基準監督署について説明します。
1 岐阜県労働委員会 岐阜県庁内(岐阜市薮田南2丁目1番1号)
岐阜県労働委員会は、労働組合法、労働関係調整法に基づき、労使間の紛争を簡易迅速に解決するあっせん、調停及び仲裁を行うほか、不当労働行為の審査等を行っています。
公益委員(公益を代表する者)、労働者委員(労働者を代表する者)、使用者委員(使用者を代表する者)の三者で構成され、各5名、計15名の委員を知事が任命します。
2 岐阜労働局(岐阜市金竜町5-13 岐阜合同庁舎)
岐阜労働局は、厚生労働省の地方支分部局で、労働基準行政の運営を図るとともに、管内に置かれている各労働基準監督署を指揮・監督する役割を果たしています。
また、労働者派遣事業・職業紹介事業等の許可・届出等に係る業務、指導・監督に係る業務等も行っています。
3 労働基準監督署(岐阜県内)
労働基準監督署の内部組織は、労働基準法などの関係法令に関する各種届出の受付や、相談対応、監督指導を行う「方面」(監督課)、機械や設備の設置に係る届出の審査や、職場の安全や健康の確保に関する技術的な指導を行う「安全衛生課」、仕事に関する負傷などに対する労災保険給付などを行う「労災課」、会計処理などを行う「業務課」から構成されています。
⑴ 岐阜労働基準監督署(岐阜市五坪1-9-1)
管轄区域 岐阜市、羽島市、各務原市、山県市、瑞穂市、本巣市、羽島郡、本巣郡
⑵ 大垣労働基準監督署(大垣市藤江町1-1-1)
管轄区域 大垣市、安八郡、不破郡、海津市、養老郡、揖斐郡
⑶ 高山労働基準監督署(高山市花岡町3-6-6)
管轄区域 高山市、飛騨市、下呂市、大野郡
⑷ 多治見労働基準監督署(多治見市音羽町5-39-1)
管轄区域 多治見市、瑞浪市、土岐市、可児市、可児郡
⑸ 関労働基準監督署(関市西本郷通3-1-15)
管轄区域 関市、美濃市、美濃加茂市、加茂郡
⑹ 恵那労働基準監督署(恵那市長島町正家1-3-12)
管轄区域 恵那市、中津川市
⑺ 岐阜八幡労働基準監督署(郡上市八幡町有坂1209-2)
管轄区域 郡上市
三重県の労働に関する公的組織
三重県内の労働に関する組織である、三重県労働委員会、三重労働局及び労働基準監督署について説明します。
1 三重県労働委員会(津市栄町1-954 三重県庁栄町庁舎5階)
三重県労働委員会は、労働組合法、労働関係調整法に基づき、労使間の紛争を簡易迅速に解決するあっせん、調停及び仲裁を行うほか、不当労働行為の審査等を行っています。
公益委員(公益を代表する者)、労働者委員(労働者を代表する者)、使用者委員(使用者を代表する者)の三者で構成され、各5名、計15名の委員を知事が任命します。
2 三重労働局(津市島崎町327-2 津第二地方合同庁舎)
三重労働局は、厚生労働省の地方支分部局で、労働基準行政の運営を図るとともに、管内に置かれている各労働基準監督署を指揮、監督する役割を果たしています。
また、労働者派遣事業、職業紹介事業等の許可、届出等に係る業務、指導、監督に係る業務等も行っています。
3 労働基準監督署(三重県内)
労働基準監督署の内部組織は、労働基準法などの関係法令に関する各種届出の受付や、相談対応、監督指導を行う「方面」(監督課)、機械や設備の設置に係る届出の審査や、職場の安全や健康の確保に関する技術的な指導を行う「安全衛生課」、仕事に関する負傷などに対する労災保険給付などを行う「労災課」、会計処理などを行う「業務課」から構成されています。
⑴ 四日市労働基準監督署(四日市市新正2-5-23)
管轄区域 四日市市、桑名市、いなべ市、桑名郡、員弁郡、三重郡
⑵ 松阪労働基準監督署(松阪市高町493-6 松阪合同庁舎3F)
管轄区域 松阪市、多気郡
⑶ 津労働基準監督署(津市島崎町327番2 津第ニ地方合同庁舎1F)
管轄区域 津市、鈴鹿市、亀山市
⑷ 伊勢労働基準監督署(伊勢市船江1-12-16)
管轄区域 伊勢市、鳥羽市、志摩市、度会郡
⑸ 伊賀労働基準監督署(伊賀市緑ヶ丘本町1507-3)
管轄区域 伊賀市、名張市
⑹ 熊野労働基準監督署(熊野市井戸町672-3)
管轄区域 熊野市、尾鷲市、北牟婁郡、南牟婁郡