セクハラ・パワハラ・マタハラ対応に関するQ&A
セクハラ・パワハラ・マタハラ対応に関するQ&A
Qセクハラに対して会社も責任を問われますか?
A
会社も責任を問われる可能性があります。
裁判例では、セクハラが被害者の人格権ないし人格的利益を侵害したと認められる場合には、行為者の不法行為(民法第709条)に基づく損害賠償責任を認めています。
その場合、行為者の雇い主である企業についても、使用者責任(民法第715条)や職場環境配慮義務違反(民法第415条)に基づいて、損害賠償責任が認められる可能性があります。
では、どのような場合に、会社が責任を問われるのでしょうか。
厚生労働省が、事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針(平成18年厚生労働省告示615号)を告示しています。
上記の指針に定められている措置を講じていない場合は、会社も責任を問われる可能性が高くなります。
以下に、具体的な講ずべき措置の内容をご紹介します。
1 事業主の方針の明確化及びその周知・啓発
⑴ 職場におけるセクシュアルハラスメントの内容・セクシュアルハラスメントがあっては
ならない旨の方針を明確化し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
⑵ セクシュアルハラスメントの行為者については、厳正に対処する旨の方針・対処の内容
を就業規則等の文書に規定し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
2 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
⑶ 相談窓口をあらかじめ定めること。
⑷ 相談窓口担当者が、内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。また、広く相
談に対応すること。
3 職場におけるセクシュアルハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
⑸ 事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
⑹ 事実確認ができた場合は、行為者及び被害者に対する措置を適正に行うこと。
⑺ 再発防止に向けた措置を講ずること。(事実が確認できなかった場合も同様)
4 1から3までの措置と併せて講ずべき措置
⑻ 相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること。
⑼ 相談したこと、事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取扱いを行って
はならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること。